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住まいや光に関する記事

窓が少ない家でも暗いと後悔しないための工夫とは?

  • 執筆者の写真: 鋼鈑商事株式会社 建材事業部
    鋼鈑商事株式会社 建材事業部
  • 2020年12月24日
  • 読了時間: 7分

更新日:11月5日


最近の新築住宅を見て、「窓が少ない」と感じたことはありませんか?


シンプルでモダンなデザインを好む方の間で、窓が少ない住宅は人気が高まっています。住宅会社や設計者も、断熱性やプライバシー確保などのメリットを理由に、積極的に提案するケースが増えています。


しかし、窓が少ないことで室内が暗くなりがちなのも事実。実際に「もっと窓を増やせばよかった」と後悔する声も少なくありません。


そこで今回は、窓が少ない家でも快適に暮らせるよう、暗さを感じにくくするための工夫やアイデアをご紹介します。





窓が少ない家が人気。その理由とは?


窓が少ない家でも暗いと後悔しないための工夫とは? イメージ画像


シンプルで洗練されたデザインが人気の理由


モダンなデザインを好む方の間では、窓を少なくしたシンプルな外観の住宅が高い人気を集めています。特に、凹凸の少ない「総2階建て」の住宅では、窓の数を減らすことで建物の輪郭がよりくっきりと際立ち、直線的でスタイリッシュな「箱型」のフォルムが強調されます。


このようなデザインは、無駄を省いた美しさや、現代的な雰囲気を演出したい方にとって魅力的に映るため、住宅の外観にこだわる人々から支持されています。



冬でも暖かく、暖房費の節約にもつながる


住宅の熱は、主に窓から逃げていくと言われています。そのため、窓の数を減らすことで、家全体の断熱性能が向上し、外気の影響を受けにくくなります。


結果として、窓が少ない家は冬でも室内の温度が下がりにくく、寒さを感じにくい快適な空間になります。暖房の使用頻度も減るため、光熱費の中でも特に負担の大きい「暖房費」の節約にもつながります。



防犯性が高く、プライバシーも守られる安心感


空き巣などの侵入経路として最も多いのが「窓」と言われています。そのため、窓の数を減らすことで、侵入されるリスクのある箇所が少なくなり、防犯性を高めることができます。


また、通りに面した土地や隣家との距離が近い住宅では、窓が多いと外から室内の様子が見えやすくなり、プライバシーの確保が難しくなることもあります。窓を少なくすることで、外部からの視線を遮り、プライバシーを守りやすくなるというメリットもあります。



建築費用を抑えられるというメリットも


窓の設置には、ガラスやサッシの材料費に加え、施工の手間や防水・断熱処理などの追加工事が必要となるため、壁だけの場合と比べてコストが高くなります。


そのため、窓の数を減らすことで、建材費や施工費を抑えることができ、結果として建築全体の費用を削減することにつながります。予算を重視した家づくりを考えている方にとっては、大きなメリットのひとつです。





窓が少ない家は、日中でも暗く感じることがある


窓が少ない家でも暗いと後悔しないための工夫とは? イメージ画像2

窓の少ない住宅には、断熱性や防犯性、デザイン性など多くのメリットがありますが、一方で「太陽の光を室内に取り込みにくい」というデメリットも存在します。


この点を十分に考慮しないまま家づくりを進めてしまうと、日中でも部屋が暗く感じられ、常に照明をつけて過ごすことになり、ストレスや不満につながる可能性があります。


また、自然光をうまく取り入れることで、照明の使用を減らせるだけでなく、冬場の暖房効率も高まり、電気代の節約にもつながります。


立地の関係で日当たりが悪い場合は仕方ありませんが、「日当たりは良いのに窓が少ないせいで部屋が暗い」といった後悔を避けるためにも、窓の配置や採光の工夫は非常に重要です。





家を暗いと感じさせないために気をつけるべき3つの工夫


窓が少ない家でも暗いと後悔しないための工夫とは? イメージ画像3

小さな窓をたくさんより、大きな窓を少なく設けるのが基本


採光を確保したい部屋には、十分な明るさを得られるサイズの窓を設置することが重要です。このとき、小さな窓を複数設けるよりも、少ない数でも大きな窓を設けた方が、効率よく自然光を取り込むことができます。


小さな窓は、壁の厚みや窓枠の影響で光の取り込み量が制限されやすく、同じ面積の窓でも明るさに差が出ることがあります。


そのため、家の構造や外からの視線などに問題がなければ、必要な明るさを確保できる大きな窓を設けることで、窓の数を抑えつつ快適な採光を実現できます。



間仕切りを減らし、家全体をひとつの大きな空間にする


設計の段階で、できるだけ間仕切り(壁や扉)を減らした間取りにすることで、室内に暗い場所ができにくくなります。光は遮るものがなければ奥まで届く性質があるため、空間を広くつなげることで、限られた窓からでも家全体に光を行き渡らせることが可能になります。


逆に、壁で仕切られた部屋には窓がないと光が入らず、暗くなってしまうため、必ず採光のための窓が必要になります。廊下やホールを省いた間取りや、吹き抜けを活用して1階と2階をつなぐ設計にすることで、自然光を効率よく取り込み、窓の数を減らしながらも明るさを確保することができます。


また、どうしても間仕切りが必要な場合は、光を通す素材(すりガラスや格子状のパネルなど)を使った建具を選ぶことで、ある程度の採光を保つことができます。ただし、空間が広くなるほど光を届けるための「光量」も必要になるため、窓のサイズは通常よりも大きめに設計することがポイントです。



部屋の中心に光を届ける間取りを工夫する


部屋の面積が広くなると、どうしても奥の方が暗くなりがちです。そこで、間取りを工夫して部屋の中心付近に自然光が届くようにすると、窓の数が少なくても明るさを確保しやすくなります。


その代表的な方法のひとつが「天窓(トップライト)」の設置です。天窓は屋根に取り付ける窓で、空に向かって開いているため、通常の壁面の窓よりも多くの光を取り込むことができます。隣家の影響を受けにくく、壁に窓を設けなくても部屋の中心に光を届けられるのが大きなメリットです。



ただし、天窓は屋根に直接設置する必要があるため、平屋や吹き抜けのある間取りでないと使えないという制約があります。2階建て住宅の1階など、天窓が使えない場合には、「光ダクト」という構造を採用することで、屋根から取り込んだ光をダクトを通じて1階まで届けることが可能です。


このような工夫を取り入れることで、窓の数を抑えながらも、快適で明るい住空間を実現できます。



光ダクト


光ダクトとは、内面が鏡状になった管または空間のことです。光ダクトは、片側から光を取り込み、鏡で光を反射させながらもう片側へ高効率で光を届けます。


原理的には吹き抜けと同じですが、光を届ける効率が良いため、吹き抜けほど大きなスペースを必要としません。そのため、家の構造を大きく変えたり、居住スペースとなる床面積を大きく減らすことなく設置できます。

窓を少なくして暗くなりそうな家には、天窓や光ダクトを検討してみてはいかがでしょうか。





まとめ


窓が少ない家は、デザインや高い断熱性・防犯性などの理由で人気が高まっていますが、間取りや窓を工夫しなければ暗くなり後悔してしまいます。

新築で窓の少ない家を検討されている方は、窓の大きさや間取り、天窓や光ダクトなどお部屋を明るくする工夫を取り入れるようにしてみましょう。


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