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住まいや光に関する記事

  • 執筆者の写真鋼鈑商事株式会社 建材事業部

平屋は日当たりが悪い? お部屋を明るくする家の作りと方法を解説


近年、平屋の人気が高まっています。


日本的で落ち着いた雰囲気もさることながら、大きな家を好まずに低コストな平屋で十分という考え方の人も増えてきたのが理由の一つです。

また、平屋には、長く住み続けることを想定したバリアフリーなつくりやシンプルな動線、また建物が低く安定した構造による耐震性、などといったメリットもあります。


ですが、住宅が多くて隣の家との距離が近い場合には、平屋のお部屋は暗くなってしまいがちです。


今回は、新築住宅を検討中で、平屋も選択肢としてあるけれど、日当たりの悪い家となってしまうことが心配な方へ、平屋でも明るいお部屋を作る方法を解説します。


 
 

平屋(ひらや)とは?

「平屋(ひらや)」とは、1階建ての建築物を指します。「平屋建て」や、そのまま「1階建て」などとも呼ばれます。


平屋には、屋根裏部屋やロフトなどがある場合もありますが、基本的に階段がなく、建物の高さは低くなります。


平屋の住宅は、日本で古くから親しまれてきた住まいの造りですが、近年その魅力が再認識され、人気が高まっています。


平屋のメリット

1. 動線がすっきり

平屋では階の移動を必要とせず、同じ階で家事や育児が完結します。階段がありませんので、間取りをシンプルに設計することが出来ます。


2. 高い耐震性

2階がなく、柱で支える長さの短い平屋は、倒壊しにくい構造です。そのため、2階建てに比べて地震に強いと言われます。


3. バリアフリー性が高い

平屋には階段がありませんので、階段からの落下の心配する必要がありません。小さなお子様や高齢者でも安心して暮らせます。


4. 庭との一体感がある

平屋は庭と接する壁の割合が大きいので、2階建てと比べてお庭の自然を身近に感じられます。


5. 無駄を減らしてコストカット

それほど広くなくシンプルなつくりで良い、というライフスタイルの方は、無駄なお部屋やスペース 

を極力減らすことで、予算も大きく削れます。


平屋のデメリット

1. 土地の広さが必要

2階建てと比べて、同じ部屋数や広さを確保する場合には、より広い土地が必要となります。


2. 建築コストが高い

基礎や屋根の施工面積が増えるため、2階建てと比べて割高になる場合があります。


3. プライバシーへの配慮が必要

全てのお部屋が周辺道路と同じ高さであることや、周辺の2階建て住宅からも視線が通りやすいので、プライバシーの確保に気をつける必要があります。


4. 防犯性が低い

建物の高さが低いため、外部からの侵入が容易ですので、よりしっかりとした防犯対策が必要となります。


5. 水害リスクが高い

平屋では、居住スペースがすべて1階のため、水害時の浸水被害が大きくなる場合があります。また、津波などのより大きな災害の場合は、2階へ上がる避難垂直ができず、家の外へ避難しなければなりません。


6. 日当たりが悪くなりがち

平屋は建物の高さが低いため、周囲の建物や植栽の影響を受けやすく、周辺の建物に太陽光を遮られる可能性が高くなります。


平屋の日当たりが悪い原因は?

日当たりは暗くなる原因をしっかりと理解すれば、日当たりの良い家づくりができます。まずは平屋の日当たりが悪くななる理由について説明します。


土地の形状や周辺環境

土地に関しては、2階住宅にも共通したことが多いですがあらためて理由をあげてみます。


1. 周囲に遮蔽物がある

日当たりは、自宅と周囲の建物や樹木などの遮蔽物によって太陽光がどの程度遮られるかによって決まります。


遮蔽物が多い方が日当たりは悪くなります。太陽の方位の関係で、特に南側に遮蔽物があると、直射光が遮られる時間が長くなります。東側や西側の遮蔽物についても、それぞれ朝日や夕日の時間帯で日当たりに影響します。


平屋は建物が低いため、特に周辺の遮蔽物で影になりやすく、日当たりが悪くなりやすい構造です。


2. 敷地が狭い

日当たりは隣家や樹木などの遮蔽物から距離を離すことで影の影響が小さくなりますが、敷地が狭い場合には周囲から距離がとれず、日当たりが悪くなります。


平屋は2階建てに比べて広い土地が必要ですが、良好な日当たりを確保できるほど敷地が広く出来ないことが多く、結果として日当たりも悪くなります。


住宅の設計

平屋は土地や周辺環境によって日当たりがより悪くなりがちですので、2階建て住宅と同じように設計してしまうと当然暗くなってしまいます。日当たりを悪くするポイントを説明します。


1. 住宅の平面形状

平面形状を長方形や正方形としたシンプルな住宅は、壁の面積を小さくして建築コストを少なくするために有効とされています。


ですが、建築面積の広くなる平屋では、壁面の窓から離れてしまう中央付近のお部屋は暗くなります。壁で仕切られていなくても、窓から離れるにつれて光が届かなくなってしまうからです。


2. 住宅の配置

通常の設計では、日当たりを良くするために南側を隣家から離して配置します。平屋では住宅を広く取らなければならず、敷地面積に余裕がないと十分に隣家との距離を離せない場合には、隣家による遮蔽の影響を強く受けてしまいます。


3. 軒の長さ

デザイン性の高い平屋を作る場合、軒を外壁から長く出すことがあります。外壁を守ったり、雨漏りを防ぐといった観点では、軒の長さはある程度必要ですが、長すぎる場合は太陽光を遮るので暗くなります。


4. 窓の配置や大きさ

2階建て住宅でも同様ですが、窓の配置や大きさはお部屋の明るさに直接影響します。


平屋では、プライバシーや防犯上の観点で窓を大きく出来ないことがあります。また、軒があるために、2階建て住宅1階にある窓と比べて、光を取り込みにくいこともあり、窓の設計にはより工夫が必要となります。


平屋でも明るい住宅にするための方法は?

暗くならないための気をつけるべきポイントを説明してきましたが、ここからは平屋のお部屋を明るくするための具体的な方法をご紹介します。


平面形状を変える

敷地に余裕がなく、隣家で囲まれているような土地では、全てのお部屋を明るくするというのは大変難しいですが、リビングやダイニング、キッチンといった日中の長い時間を過ごすお部屋に限れば、難易度は大きく下がります。


まずは、住宅の平面形状を見直すことです。コの字型やL字型のような平面形状として、明るくしたいお部屋を南側に配置するとともに、出来るだけ隣家から距離が取れるようにします。


こうすることで、隣家による遮蔽の影響を受けにくくなり、日当たりの良いお部屋になります。逆に他のお部屋は隣家に近くなるので、日当たりや眺望はあまり期待できなくなります。日当たりの不要な用途のお部屋をそちらに配置するなどで工夫が必要となります。


天窓を利用する

次に、家の中に光を取りいれるのに最も重要な窓を考えます。


窓は、面積が大きいほど光の取り込み量が多くなりますが、隣家が近かったり、影になっていると十分に光を取り込めず、暗くなってしまいます。また窓を大きくとりすぎると、プライバシー性や防犯性が低下しますし、住宅の断熱性能も低下します。


平屋であれば、お部屋をあかるくすのに天窓が大変有効です。

簡単に説明すると、天窓とは屋根につける窓、です。屋根は空の方を向いておりますので十分な明るさを取り込めますし、壁面の窓よりも高い位置にあるため、隣家によって影になりにくくなっています。


天窓であれば住宅の中央付近のお部屋にも直接窓を設けて明るくすることも出来ます。

天井が貼られ屋根からの距離があるお部屋でも、光ダクトという構造で天窓をお部屋をつなぐことで、効率よく天窓の光を利用することも出来ます。



最近の天窓製品は、しっかりとした施工がされれば雨漏りしにくい構造になっています。また、夏の暑い時期用にリモコンで開閉できるブラインドも設置が可能です。暗くなりそうなお部屋には天窓を利用するのがお勧めです。


事前に日当たりをシミュレーションで検討する

最近では、日当たりのシミュレーションを用いることで、実際にどれくらいの明るさになるのかを、家が建つ前にある程度わかるようになっています。


これから住宅を検討される方で、日当たりが心配であれば、住宅会社や設計者の方に相談して、日当たりのシミュレーションを行ってみることをお勧めします。


鋼鈑商事でも無料で日当たりのシミュレーションを行っていますので、お気軽にご相談ください。



まとめ

平屋の日当たりは、土地や建物の設計、季節や天候など様々な要因によって左右されます。上記を参考に、日当たりを良くする工夫や事前の検証によって、明るくなるように考えてみてはいかがでしょうか。

フッター背景画像 鋼鈑商事「どこでも光窓」

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