庇(ひさし)とは?必要性・メリットと後悔しないための注意点を解説
- 鋼鈑商事株式会社 建材事業部

- 2019年8月14日
- 読了時間: 5分
更新日:4月23日
住宅の窓や玄関の上に設けられる「庇(ひさし)」。
昔の家では当たり前のように付いていましたが、近年は「本当に必要なの?」「付けなくても問題ない?」と迷う方も増えています。
結論から言うと、庇は年間を通して日差しを調整できる優れた建築要素ですが、敷地条件や窓の方位によっては効果が限定的なため、事前の検討が欠かせません。
この記事では、庇の基本からメリット・注意点、そして後悔しない考え方までをわかりやすく解説します。
【目次】 (クリックして展開)
庇(ひさし)とは?|軒との違いを簡単に整理

庇(ひさし)とは、窓や玄関などの開口部の上に、壁から突き出すように設けられた小さな屋根のことです。
読み方は「ひさし」で、「小庇(こびさし)」「霧除け(きりよけ)」と呼ばれることもあります。
よく似た言葉に「軒(のき)」がありますが、意味は異なります。
庇:窓や玄関ごとに独立して設けられる
軒:屋根の一部が外壁より張り出している部分
庇は、必要な場所にピンポイントで設置できる点が特長です。
庇の種類と特徴
陸庇(ろくひさし)
外壁に直接取り付ける庇で、現在の住宅でもっとも一般的なタイプです。
構造がシンプルで施工しやすく、コストも抑えやすいのが特長です。
腕木庇(うできひさし)
柱や腕木で支える伝統的な庇です。
和風住宅に多く、意匠性に優れていますが、施工の手間とコストは高めになります。
庇に使われる主な素材
アルミニウム
軽量で錆びにくく、耐久性が高いため最も多く使われています。
ポリカーボネート
透明性があり、庇の下でも暗くなりにくいのが特長です。
ガラス
デザイン性が高く、採光性に優れますが、重量があるため金属部材との併用が一般的です。
木材+金属屋根材
造作庇として、外観に統一感を持たせたい場合に選ばれます。
庇を設置する3つのメリット

1. 夏の直射日光を遮り、室内の暑さをやわらげる
庇は、太陽高度が高い夏の日差しを効果的に遮ることができます。
その結果、室内温度の上昇を抑え、冷房効率の改善にもつながります。
2. 雨の吹き込みを防ぎ、窓や玄関が使いやすくなる
窓の上に庇があることで、雨が室内に吹き込みにくくなります。
玄関では、傘をたたんだり鍵を出したりする際の雨よけとしても役立ちます。
3. 外壁やサッシ周りの汚れ・劣化を防ぐ
雨が直接窓に当たると、汚れが外壁を伝って黒ずみの原因になります。
庇を設けることで、外壁の汚れや劣化の進行を抑える効果が期待できます。
庇のデメリットと設置時の注意点

後付け設置は雨漏りリスクに注意
庇は新築・リフォームどちらでも設置できますが、リフォームでは外壁に穴を開けるため、防水処理が不十分だと雨漏りの原因になることがあります。
可能であれば、新築時に計画しておく方が安心です。
東向き・西向きの窓は庇だけでは不十分な場合も
庇は太陽高度が高い場合に効果を発揮します。そのため、
朝日が差し込む東向きの窓
夕日が差し込む西向きの窓
では、庇だけで日差しを遮りきれないことがあります。
こうした場合は、すだれや外付けブラインドとの併用が有効です。
隣家に近い窓は十分な検討が必要
敷地境界に近い場所に庇を設けると、
雨水が隣地に流れる
通行や窓の開閉の妨げになる
など、トラブルにつながる可能性があります。
効果が薄い場合も多いため、設置の必要性を慎重に検討しましょう。
庇は年間の採光を調整できる点が最大の特長
庇の本質的な価値は、季節によって変わる太陽の動きを利用し、日差しをコントロールできる点にあります。
夏:強い直射日光を遮る
冬:低い角度の日射を室内に取り込む
つまり、庇は「暗くする設備」ではなく、一年を通して快適な明るさをつくるための仕組みなのです。
だからこそ、事前の「日当たり検討」が重要
ただし、庇の効果は
窓の方位
窓の高さ
周囲の建物や敷地条件
によって大きく変わります。
そのため、感覚やイメージだけで判断するのではなく、日当たりシミュレーションなどで、実際の効果を確認することが重要です。
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庇と採光の関係をより深く理解するために、以下の記事も参考にしてください。
まとめ|庇は「付けるかどうか」より「どう活かすか」
庇は、年間の採光を調整できる優れた建築要素
ただし、すべての窓で同じ効果が得られるわけではない
設置前には、日当たりの検証を行うことが後悔しないポイント
庇を上手に活かすことで、住まいの快適性は大きく向上します。
ぜひ、データと根拠をもとに、納得のいく選択をしてください。






























































