日当たりを悪くするカーポートの条件と設置後の改善方法
- 鋼鈑商事株式会社 建材事業部

- 2023年11月28日
- 読了時間: 7分
更新日:5 日前
一戸建て住宅をお持ちの方は、自家用車を雨風から守るためや作業スペースとして利用するため、家屋とは別にカーポートを設置されています。
ですがカーポートは設置方法や部材によって、室内の日当たりを悪くしてしまうことがあります。
今回は、カーポートと日当たりの関係をご説明するとともに、日当たりが悪くなりにくい方法と日当たりが悪くなってしまった場合の改善方法をご紹介します。
カーポートとは?

「カーポート」は、住宅の敷地内で家屋に隣接して設けられる簡易的な車庫のことです。しっかりとした屋根と壁を持つ「ガレージ」とは区別されます。
カーポートの基本的な構造は、屋根とそれを支える柱です。屋根は雨や雪から車を守り、柱は屋根をしっかりと支える役割を果たします。
強度を確保するため、柱には鉄やアルミなどの金属が一般的に用いられます。一方、屋根材としては、軽量で強度があり、光を通しやすいポリカーボネートがよく使われます。ただし、強度やデザイン性を重視して、鉄やアルミなどの金属が使われることもあります。
ガレージと比較すると、カーポートは簡易な構造であるため、設置費用が抑えられ、柱を立てるためのスペースも少なくて済みます。しかし、壁で囲まれていないため、防犯性はガレージほど高くありません。
カーポートのメリット
カーポートを設置する主なメリットは以下の通りです。
雨や雪から車を守り、劣化を遅らせることができる
雨の日でも車の乗り降りや荷物の積み下ろしが楽になる
屋外の作業スペースとしても活用できる
カーポートのデメリット
一方、デメリットとしては、次のような点が挙げられます。
設置に費用がかかる
柱によって敷地の利用できるスペースが狭くなる場合がある
設置場所によっては日当たりが悪くなる可能性がある
設置費用や柱の位置は計画段階で確認できますが、日当たりについては実際に設置してから影響がわかることも少なくありません。そのため、カーポートの設置を検討する際には、日当たりについても十分に考慮することが大切です。
カーポートで日当たりが悪くならないようにする方法は?

カーポートによってどのくらい日当たりが悪くなるかは、カーポートの設置場所や屋根材の種類によって大きく異なります。
カーポートの設置場所による影響
室内の日当たりへの影響について最も重要なのは、明るくしたい部屋の窓の正面にはカーポートを設置しないことです。
例えば、南側にリビングがあり、大きな掃き出し窓が南側の外壁に設けられている間取りを考えてみましょう。南側の窓は太陽の光をたっぷりと取り込めるため、多くの住宅で基本的な設計となっています。
この掃き出し窓の正面にカーポートを設置してしまうと、窓に入る日差しの大部分がカーポートの屋根によって遮られてしまいます。さらに、カーポートは車の駐車スペースとなるため、車が窓の正面に置かれることになり、直射日光だけでなく、庭や周囲からの間接的な光も室内に届きにくくなります。
大きな窓は、室内の日当たりを良くして明るくするために設けられるものです。したがって、窓の正面に光を遮るようなカーポートを設置することは避けるのが賢明です。
また、敷地の北側などにカーポートを設置する際には、隣家の住環境、特に日当たりに悪影響を与えてしまう可能性も考慮する必要があります。そのため、カーポートの設置場所を決める際には、ご自身の敷地だけでなく、周辺の状況にも注意を払うことが大切です。
カーポートの屋根材の種類による影響
最近のカーポートの屋根材として主流となっているのはポリカーボネートです。光を通す性質があるため、アルミや鉄などの金属製の屋根材と比べて、設置しても日差しが遮られにくく、室内が暗くなりにくいという特徴があります。
しかし、地域によっては設置に関する基準で金属屋根しか選べない場合や、デザイン性を重視してあえて金属屋根を選ぶケースもあります。そのような場合、設置後に「思ったよりも暗くなってしまった」と感じることがあります。
また、同じポリカーボネート製でも、黒に近い色で光の透過率が低い素材を選ぶと、透明に近い透過率の高い素材に比べて、やはり室内が暗くなりがちです。
カーポートの設置場所が、室内の日当たりに大きな影響を与える可能性がある場合には、カーポートの屋根材の種類や色についても慎重に検討することをおすすめします。
カーポートで日当たりが悪くなってしまったら?

カーポートを設置して日当たりが悪くなり、お部屋が暗くなってしまって改善したいとお考えなら、費用はかかりますが次のような方法を検討してみましょう。
カーポートを変更する
日当たりが悪くなった原因が、金属製の屋根や透過率の低い屋根材であるならば、透過性の高い材質に変更することで、日差しの取り込みが増え、明るさが改善される可能性があります。
しかしながら、以下のような場合には、屋根材を変更しても日当たりの悪化を改善することは難しいでしょう。
設置制限: 地域の条例や建物の構造上の理由などにより、金属屋根しか設置できない場合。
構造材の影響: カーポートの柱や梁などの構造材の配置が、光の入り込む角度を遮っている場合。
したがって、日当たりの改善を目的として屋根材の変更を検討する際には、日当たりの悪化の根本的な原因を見極めることが重要です。原因によっては、屋根材の変更以外の対策(例えば、カーポートの設置場所や向きの再検討など)が必要になることもあります。
お部屋の窓を新設する
住宅全体をリフォームし、お部屋を明るくするための間取りを検討することで、日当たりを改善することができます。
比較的簡単な方法としては、暗くなってしまったお部屋の窓を大きくしたり、新たに窓を設けることが挙げられます。これは、単純に室内に入る光の量や日差しが差し込む時間を増やすため、明るさの向上に繋がることが期待できます。
しかしながら、この方法にはいくつかの注意点があります。例えば、家の構造上の制約によって窓の設置や変更ができない場合や、窓を設けても十分な日当たりを確保できず、期待したほど明るくならない可能性がある点です。これらの懸念点を考慮する必要があります。
光ダクトで日当たりを改善する

この方法もリフォームになりますが、窓だけでなく光ダクトも合わせて検討することで、日当たりを改善できる可能性が高くなります。
光ダクトとは、窓とお部屋を内面が鏡となった管でつなぐことで、窓に入った自然光を離れたお部屋まで運ぶ建築構造です。ダクトスペースが必要などのデメリットなどもありますが、天窓のような日当たりの良い窓で取り入れた光を、本来届かない1階のお部屋まで導き、自然光で明るくすることができます。
光ダクトを利用することで、窓があっても日当たりの悪いお部屋へも自然光を届けて明るくできますので、日当たりを改善するアイデアの一つとして考えてみましょう。
まとめ
カーポートと日当たりの関係について説明し、カーポートを設置しても日当たりが悪くならない方法をご説明しました。
日当たりが悪くなってしまった場合でも、日当たりを改善する方法を紹介していますので、カーポートによる日当たりの悪化にお困りの方はご参考ください。


































































