隣に家が建っても大丈夫! 日当たりの悪い立地でも困らない間取りとは?
- 鋼鈑商事株式会社 建材事業部

- 2018年5月14日
- 読了時間: 9分
更新日:1 日前
「自宅の隣に家が建って日が当たらなくなった…」
とショックを受けていませんか?住宅の住み心地に大きく影響する「日当たり」。そのトラブルで多いのが、隣に家が建ったことで急に日が入らなくなるケースです。
しかし、他人の敷地に建物が建つことを止めることはほとんどできません。だからこそ、新築時には将来的に隣に家が建っても日当たりが確保できる設計が重要です。また、すでに建ってしまった場合でも、リフォームによって日当たりを改善できる可能性があります。
今回は、特に日当たりが求められる「リビング」を例に、周囲の環境に左右されにくい間取りの工夫をご紹介します。
日当たりに関する悩みの多くは、隣に家が建つ(建った)ことが原因!
日当たりがなくなることのショックは大きい
もともと日当たりの悪い土地に家を建てた方は、意外にも日当たりに関する悩みをあまり抱えていないことが多いようです。というのも、事前に日当たりの状況を把握したうえで、住宅の設計に工夫を凝らしているからです。周囲の環境が分かっていれば、「日当たりシミュレーション」などの手法を使って、光の入り方を事前に予測することも可能です。
一方で、日当たりに悩む方の多くは、隣に新しい家が建ったことで、これまで良好だった日当たりが急に悪くなってしまったというケースです。部屋が暗くなり、生活の質が下がったように感じるのは、以前の明るい環境とのギャップが大きいためです。
特に、南側に隣家が建つと、直射日光が遮られやすくなるため、日当たりの変化はより顕著に現れます。これまで快適だった空間が急に暗くなると、精神的なストレスにもつながりかねません。
隣の家が建つのは、残念ながら避けられない
隣に新しく家が建つとき、その設計について「窓の位置を変えてほしい」「もっと距離を取ってほしい」といった要望や苦情を伝える方もいらっしゃいます。しかし、残念ながらその多くは実際には反映されません。
というのも、隣の家も建築基準法に則って、正式な建築確認を受けたうえで設計・建築されているため、法的には何の問題もないからです。
もちろん、周囲への配慮を重視する建て主であれば、窓の位置や壁との距離などに多少の配慮をしてくれる可能性はあります。ただし、隣の家の建て主にも希望する間取りや予算などの事情がありますから、こちらの要望がすべて受け入れられることは、現実的にはあまり期待できません。
隣に家が建つことを想定した日当たりに困らない間取りに

家づくりでは、将来の周辺環境の変化も視野に
住宅は20年、30年と長く住み続けるものです。その間に、周囲の環境が変わる可能性は十分にあります。たとえば、南側や東側、西側の隣接地に、境界線ギリギリの位置に3階建ての住宅が建てられるケースも考えられます。
今は隣の土地が駐車場や空き地だったり、平屋などの低い建物が建っていたとしても、将来的には高さのある建物がすぐそばに建つ可能性があります。特に、分譲地など新しく開発されたエリアでは、わずか1〜2年のうちに隣に家が建つことも珍しくありません。
こうした変化を見越して、日当たりに配慮した間取りや窓の配置を工夫することが、快適な暮らしを守るポイントになります。
日当たりの改善は後からでは難しい
隣に家が建って日当たりが悪くなった場合、後からリフォームで改善しようとすると、かなりの費用がかかることになります。しかも、新築して間もない家を大きく改修するのは、心理的にも抵抗を感じる方が多いでしょう。
もちろん、周辺環境がずっと変わらない可能性もあります。しかし、将来的な日当たりのリスクを考えるなら、最初から「暗くなりにくい家」を設計しておくことが非常に重要です。
隣に建物ができても、室内が極端に暗くならないように、窓の配置や吹き抜け、天窓などの工夫を取り入れることで、快適な住環境を長く保つことができます。
隣家で日当たりが変化しても暗くなりにくい住宅の間取りとは?

隣に家が建った時に、暗くなった、と最も感じる部屋はリビングです。
リビングは最も過ごす時間が長く、1階南側にリビングを持ってくる間取りが多いため、特に大きく影響を受けます。
今回はリビングについて、1階南側の間取りと比較して、隣に家が建つなどの理由によって日当たりが変化しても暗くなりにくい間取りをご紹介します。
2階リビングの間取り
2階リビングは、隣の建物の影になりにくく、日当たりを確保しやすい間取りとして注目されています。隣が2階建て程度で距離がある場合、十分な採光が期待でき、眺望の良さもメリットのひとつです。
ただし、階段の上り下りが日常になることや、キッチンが2階にある場合の水漏れリスクなど、注意点もあります。また、周囲に3階建ての住宅が密集している地域では、期待したほどの採光が得られないことも。
そのため、周辺環境をよく確認し、窓の位置や方角を慎重に検討することが重要です。
吹き抜けのリビングの間取り
吹き抜けリビングは、2層分の高い天井を持つ開放的な空間で、大きな窓や天窓を設けやすく、採光に優れた間取りです。特に2階建て住宅では、屋根に近い位置から光を取り入れられるため、日当たりの良さが期待できます。
加えて、天井が高くなることで、広々とした開放感も得られます。一方で、2階の床面積が減ることで居住スペースが狭くなったり、構造の強度に配慮が必要になるなどの注意点もあります。
また、隣に家が建った場合、日当たりは確保できても、視界に建物が入り込むことで圧迫感を感じることも。設計時には、より高い位置からの採光を意識し、周辺環境を踏まえた窓の配置を検討することが重要です。
北側リビングの間取り
北側リビングは、一般的に南側に配置されるリビングをあえて北側に設ける間取りです。直射日光は少ないものの、窓の配置を工夫すれば、暗い印象を避けることができます。
南側に家が建っても、もともと直射日光に頼らない設計のため、日当たりへの影響は少なく済みます。ただし、北側の隣家との視線が気になる場合があるため、塀などで視線を遮る工夫が必要です。
北側リビングは少し勇気のいる選択かもしれませんが、将来的に隣に家が建つ可能性が高い場合には、日当たりシミュレーションなどで明るさを確認しながら検討する価値があります。
「光ダクト」のあるリビングの間取り

日当たりのよい窓から入る光を、その窓に面していない部屋まで届ける「光ダクト」という製品があります。
「光ダクト」は、内面が鏡状の筒のような構造をしています。「光ダクト」を利用することで、窓から離れた距離にある部屋まで光を届けるのです。
具体的な一例を紹介します。
日当たりの悪い窓がある1Fのリビングに対して、天窓のような日当たりのよい窓に入る光を「光ダクト」を通じて利用し、明るくすることが可能です。
吹き抜けリビングに構造としては似ていますが、吹き抜けと違い2階全ての床がなくなるわけではないため、より広く住宅を利用できる間取りとなります。
デメリットとしては、2F部分に「光ダクト」の設置場所が必要のため、わずかに居住スペースの減少を生じます。
また、通常の窓とは異なり、外の景色は見えにくいため、眺望や景色を楽しむためには少し工夫が必要になります。
「光ダクト」はまだあまり知名度は低いですが、他の方法に比べるとデメリットが少なく、南の方角に隣家が建つことによる日当たりの変化も小さくなるため、最もリーズナブルに利用できます。
隣りに家が建ち日当たりが悪くなってしまったら!?

日当たりの改善には光ダクトがおすすめ
光ダクトを使ったリフォームがおすすめです。
光ダクトを上手に設計することで、間取りを大きく変える必要がなく、リフォーム箇所が少ないので費用が安くすみます。
また、鋼鈑商事の光ダクト『どこでも光窓』では、工事契約前に事前にシミュレーションすることで明るさを可視化して効果を検討できます。費用は無料ですので、お気軽にご相談ください。
戸建住宅では、住み続けるとどうしても不具合が生じてしまいますので、10年、20年、30年といった節目でのメンテナンスが推奨されています。
屋根のリフォームや家族構成の変化によるリノベーションのタイミングで光ダクトを使った日当たりの改善も検討してみてはいかがでしょうか。
日当たりの改善をご検討の方は、鋼鈑商事の「どこでも光窓 導入提案サービス」もご参考ください。
まとめ
長く使うことになる住宅ですので、周辺環境の変化は必ず起こると考える方が無難です。
隣に家が建つことで日当たりが悪くなる、ということを想定しておくことで、その変化を小さくするような間取りの住宅を作ることができます。
日当たりが変化しにくいリビングの作り方
2階リビング
吹き抜けのリビング
北側リビング
「光ダクト」のあるリビング
新築で住宅購入を考えている方は、2Fリビング、吹き抜けリビング、北側リビング、光ダクトといった構造を取り入れ、将来的な日当たりの変化に備えましょう。
すでに隣に家が建ってショックという方も、光ダクトなどを利用したりフォームも検討してみてはいかがでしょうか。


































































