住まいに設置する代表的な窓の一つに掃き出し窓があります。
しかし、その名前を聞いたことはあっても「どのような窓なのかよく知らない」「腰窓とどのような違いがあるのか分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
住まいに効果的な窓を設置するためには、それぞれの特徴や違いを理解したうえで、自宅の環境や目的に応じた窓の種類や設置場所を選ぶことが大切です。
そこで、今回は掃き出し窓の基礎知識や腰窓との違い、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
掃き出し窓とは
窓の開口部が床から天井近くまである引き違い窓のことを掃き出し窓といいます。
日本の住宅でよく見られる代表的な窓の一つです。
掃除の際に、部屋のほこりや塵を掃き出し窓から掃き出していたことが名称の由来という説もあります。
家の中からベランダや庭へと出入りしやすく、大きな開口部によって視線が広がり、開放感を得られるのが特徴です。
腰窓との違い
掃き出し窓と混同しやすい腰窓ですが、大きな違いは底辺の位置です。
窓の底辺が床面や床近くにある掃き出し窓と異なり、ちょうど人の腰の位置辺りの高さに窓の底辺がくるのが特徴です。
▼掃き出し窓と腰窓の違い
掃き出し窓:床から天井近くの位置まで高さがあるため、開口部が大きい
腰窓:腰辺りに窓の底辺が来るため、掃き出し窓よりも開口部が小さい
掃き出し窓のメリット・デメリット
ここでは、掃き出し窓のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット | デメリット |
自然の光や風をたっぷり取り込める
| 防犯・プライバシー面に注意が必要
|
空間に開放感が生まれる
| 断熱性が下がる可能性がある
|
ベランダや庭へ行き来しやすい
| レイアウトが制限される
|
腰窓のメリット・デメリット
続いて、掃き出し窓よりも開口部が小さい腰窓のメリット・デメリットをご紹介します。
メリット | デメリット |
防犯性が高い
| 採光量・通風量が少ない
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冷暖房効率がよい
| 窓から出入りができない
|
レイアウトの自由度が高い
| |
設置目的に応じて窓を選ぶことが重要
掃き出し窓と腰窓、それぞれメリット・デメリットを把握し、設置する目的に合わせて窓を選ぶことが重要です。
外へつながる部屋には掃き出し窓が有効
ベランダや庭、ウッドデッキ、バルコニーなどに面した部屋には、窓を開けてそのまま外に出られる掃き出し窓を設置するのが有効です。
外のスペースとつながりのある開放的な空間を演出できるほか、光や風をたっぷりと取り込めるため、人の集まるリビングやダイニングに設置するのがおすすめです。
設置の際は、プライバシーを守るためにカーテンやブラインドの設置も欠かせません。
防犯対策として、シャッターや防犯ガラスを採用するといった方法もあります。
冷暖房効率を下げないために断熱性能の高い窓を選ぶこともポイントです。
個室や廊下には腰窓が有効
腰窓は、ベランダや庭などに面していない部屋に設置するのが一般的です。
個室やリビングのほか、廊下に設けることもできます。
開放感や採光を求めるリビングやダイニングに腰窓を設置する場合、一方に掃き出し窓、もう一方に腰窓を設置するのも一つの方法です。
2方向から採光や通風を得られるほか、掃き出し窓のみを設置する場合と比べて家具のレイアウトの自由度も高くなります。
天窓と組み合わせることもおすすめ
採光目的で窓を取り入れる場合は、掃き出し窓や腰窓のほかに天井に設置できる“天窓”を設置するのも有効です。
▼天窓の設置を検討できる場所
掃き出し窓を設置できない場所(ベランダやバルコニーなどに面していない・階段や廊下など)
腰窓のみでは部屋が暗くなりやすい場所
隣家との距離が近く、窓を開けにくい場所
天窓であれば、周囲からの視線を防ぎながら自然光を取り込めます。頭上からの採光によって、光を広範囲に届けられるのも大きなメリットです。
また、天窓を効果的に取り入れるには“光ダクト”の利用もおすすめです。
屋根に面していない部屋でも、屋内につながるダクトを通じて自然光を届けられます。
まとめ
掃き出し窓は窓ガラスの面積が大きいため、自然の光や風をたっぷりと取り込めます。
一方、腰窓はガラスの面積は小さくなるものの、部屋のレイアウトの自由度や防犯性が高いといったメリットがあります。
窓の設置によって何を求めるのか、目的に応じて窓の種類や設置場所を選ぶことが重要です。
光ダクトであれば、屋根に面していない部屋でも空からの光を届けられます。
掃き出し窓や腰窓に加えて、光ダクトも選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
光ダクトについて詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてください。