自然の光を家の中に取り込める天窓。
「日当たりが悪い」「住宅が隣接していて窓を空けにくい」といった事情により、天窓の設置を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、「天窓から差し込む直射日光が気になる」という不安もあるかと思います。そこで活用したいのがカーテンやブラインドです。
今回は天窓にカーテン・ブラインドを設置する効果や選び方、注意点などを解説します。
現在、住宅に天窓を設置しようと検討している方はぜひ参考にしてみてください。
【目次】
天窓にカーテン・ブラインドを設置する効果
天窓とは、採光や風通しを目的として天井部分に設置する窓のことです。
自然光が入りにくい北向きや東向きの住宅・お部屋でも、天窓を設置することにより、光を取り入れられるという点が大きな特徴です。
しかし、採光を得られる反面、気になるのが夏場の日差しや暑さへの対処方法ではないでしょうか。
周りに高い建物のある都会の立地、隣家との距離が近い場合などは、プライバシーが十分に守られないことへの不安を感じることもあります。
そこで取り入れたいのがカーテン・ブラインドです。
天窓にカーテン・ブラインドを設置することで、次の3つの効果が期待できます。
①直射日光を抑えて住環境を快適に
一つ目の効果は窓ガラスから直接入る日差しを防げることが挙げられます。
開閉できるカーテン・ブラインドを選ぶことで日差しの入り方を調節することも可能です。
直射日光によって室内温度が高くなりすぎるのを防げるため、快適な住環境をつくることができます。
②プライバシーを守り、安心できる住まいに
二つ目の効果は外からの視線をカットできることです。
高層ビルや隣家から家の中が見えるのを防げるため、プライバシーが守られます。
③家具やフローリングなどの日焼け対策に
三つ目の効果は家具やフローリングへの日焼け対策です。
夏場の強い日差しが直接入り込むと、家具やフローリングにダメージを与えることがあります。
カーテン・ブラインドによって日差しを和らげれば、家具やフローリングを日焼けから守れます。
天窓に適したカーテン・ブラインドの種類
天窓には、主に開閉させないFIX(フィックス)タイプと開閉できるタイプの2種類があります。
設置できるカーテン・ブラインドの種類を窓タイプと併せてご紹介します。
カーテン
一般的な住宅の窓に取り付けるカーテンは天窓にも利用できます。
▶窓タイプ別の設置可否
窓タイプ | 設置可否 |
FIXタイプ | 設置可能 |
開閉タイプ | 設置可能 |
天窓に適したカーテンは主に2種類です。
山ひだがあるプリーツカーテン
ひだのないフラットカーテン
これらのほかに、光を通しやすいレースのカーテン、光をカットする遮光タイプのカーテンなどもあります。
壁面の窓に使用する一般的なカーテンを天窓に使用することも可能です。
カーテンレールが備わっていない天窓の場合は、突っ張り棒やカーテンレールを取り付けるといった対応が必要です。
ロールスクリーン
ロールスクリーンは、凹凸のないフラットな布をロール状に巻き上げて開閉するカーテンです。
▶窓タイプ別の設置可否
窓タイプ | 設置可否 |
FIXタイプ | 設置可能 |
開閉タイプ | 設置可能 ※ただし細かい調整がしづらい |
生地のバリエーションが豊富なため、光の透過性で素材を選んだり、インテリアの一部としてデザインにこだわったりしやすいという魅力があります。
FIXタイプ、開閉タイプどちらの窓にも使用できますが、カーテンの開閉具合を細かく調整できないため、一般的にはFIXタイプに多く使用されています。
プリーツスクリーン
プリーツスクリーンは、生地にプリーツ加工を施し、蛇腹(ジャバラ)状にたたみ上げて上下に開閉するカーテンです。
▶窓タイプ別の設置可否
窓タイプ | 設置可否 |
FIXタイプ | 設置可能 |
開閉タイプ | 設置可能 |
視界をほどよく遮りつつも、外から柔らかな光を取り込める魅力があります。
ロールスクリーンのように生地を巻き取らないため、奥行を取らず窓枠に収まるコンパクトな見た目も特徴です。
プリーツスクリーンには、シングルタイプとツインタイプの2種類があります。
シングルタイプ:1枚のスクリーンを吊るしたタイプ
ツインタイプ:2種類のスクリーンを上下に配置したタイプ
ツインタイプを設置する場合、日中はレース生地をメインに使い、夜は厚手の生地をメインに使用するといった使い分けが可能です。
FIXタイプ、開閉タイプどちらの窓にも適しています。
ブラインド
ブラインドは、羽根(スラット)の角度を変えて採光量・通風量を調整できる点が特徴です。
▶窓タイプ別の設置可否と特徴
窓タイプ | 設置可否 |
FIXタイプ | 設置可能だが風通しは確保できない |
開閉タイプ | 設置可能 |
コードを引っ張って調節するコード式や操作棒で羽根を回転させるポール式などがあります。
素材にはアルミ製や木製などの種類があり、インテリアに合わせて選択可できるのもポイントです。
ブラインドは屋外からの視線を遮りつつ、光や風を取り込める魅力があります。
FIXタイプ、開閉タイプどちらの窓でも使用できますが、ブラインドを下ろしたままでも採光や風通しを確保できることから特に開閉タイプの窓におすすめです。
天窓に設置するカーテン・ブラインドの選び方
天窓に設置できるカーテン・ブラインドには、種類や材質などにさまざまな違いがあります。
カーテン・ブラインドを設置してどのような効果を得たいのか、目的に合わせて選ぶことがポイントです。
ここでは、目的別の選び方を4つご紹介します。
Case 1:直射日光を遮りつつ明るさをキープしたい
光の透過性や拡散性を備えた採光タイプのカーテンやロールスクリーンを検討しましょう。
明るい光をほどよく通しながらも、強い日差しを和らげてくれます。
開閉タイプの天窓の場合は、隙間から緩やかな風を取り入れることもできます。
リビングや吹き抜けなど、日中に人がいることが多い部屋に向いています。
Case 2:必要に応じて天窓からの光を遮りたい
遮光タイプのカーテンやロール・プリーツスクリーンを検討しましょう。
「普段はカーテンを開けて自然光を取り入れつつ、日差しの強い夏の日中や夜間には明るさをカットしたい」という場合に適しています。
遮光タイプを選ぶことにより、日差しをカットして部屋に光が入るのを防ぎます。
時間帯に応じて部屋を暗くしたい寝室や落ち着いた雰囲気を演出したい部屋に向いています。
Case 3:明るさや視線の入り方を自由に調節したい
採光量や通風量を調節しやすいブラインドを検討しましょう。
ブラインドは羽根の角度が調節できるため、カーテンやスクリーンと比べて光や風の量をコントロールしやすくなります。
ブラインドを閉じたままでも光や風を取り込めるため、時間帯や用途に応じて明るさを調節したい場所、外からの視界を遮りたい場所にもおすすめです。
キッチンや洗面所など、「明るさは確保したいけれど外からの視線が気になる」という場所にも適しています。
Case 4:お部屋に合った空間演出をしたい
光のゆらぎを演出するなら、透過性のあるカーテンを検討してみましょう。
山ひだがあるプリーツカーテンや凹凸のあるジャバラ状のプリーツスクリーンを選ぶと、光の入り方で表情が変化し、時間帯によって光と影を楽しめます。
また、風によってカーテンがなびく開閉タイプを選べば、自然の光と風を取り込んだ幻想的な空間を演出できます。
お部屋のアクセントとしてカーテン・ブラインドを設置するのであれば、デザインの幅が広がるロールスクリーンもおすすめです。
設置前に注意したいポイント
天窓にカーテンやブラインドを設置する前には、天窓のサイズや設置可否について確認しておくことが大切です。
Point 1:天窓のサイズを測っておく
カーテン・ブラインドは天窓のサイズに合わせて選ぶ必要があります。
窓面の傾斜角度や大きさ、天窓のタイプを事前に測っておくことが重要です。
購入後に「サイズが合わなかった」という事態を防げます。
Point 2:天窓の下地を確認する
天窓の下地によって設置できるカーテン・ブラインドが異なります。
レールの有無はもちろん、木枠であるか石膏(せっこう)ボードであるかなどの素材を確認しておくことが大切です。
カーテン・ブラインドをしっかりと支えられるか、対応ネジや耐荷重量なども確認しましょう。
Point 3:天窓本体に干渉しないかをチェックする
天窓本体の熱に対する強度やカーテン・ブラインドとの適切な距離などをハウスメーカー、工務店に確認します。
設置方法によっては反射熱によって天窓部分に熱がこもってしまうことがあります。
また、カーテン・ブラインドの距離が天窓と近い場合には、開閉の妨げになったり、ガラスを傷つけたりすることもあるため注意が必要です。
判断が難しい場合はプロへ相談すると安心です。
新築や天窓交換の際は、カーテン・ブラインドの取り付けを併せて検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
天窓は、日当たりが悪い部屋でも自然の光や風を取り入れられることが魅力です。
夏場の強い日差しや周囲の視線が気になる場合には、カーテン・ブラインドを設置することをおすすめします。
カーテン・ブラインドには、ロールスクリーンやプリーツスクリーンなど複数の種類があり、それぞれメリットや特徴が異なります。
設置後に後悔しないために、事前に天窓の種類や下地、取り付け可能なカーテン・ブラインドを確認しておくことがポイントです。
天窓を活かした開放的で明るい住環境づくりにカーテン・ブラインドの設置を検討してみてはいかがでしょうか。