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光ダクトの活用ノウハウ:日当たりシミュレーションで新築時の採光確認!

  • 執筆者の写真: 鋼鈑商事株式会社 建材事業部
    鋼鈑商事株式会社 建材事業部
  • 2018年3月28日
  • 読了時間: 10分

更新日:11月6日


住宅を新築する際、日当たりの良し悪しは暮らしの快適さに大きく影響する重要なポイントです。しかし、「日当たりは実際に建ててみないと分からない」と思っていませんか?


最近では、日当たりを事前に予測できる「日当たりシミュレーション」が注目されています。これを活用すれば、建築前に日照条件を確認し、より理想的な住まいづくりが可能になります。


この記事では、日当たりシミュレーションとは何か、シミュレーションを行う際に知っておきたい基本的な知識、そして一般の方でも無料で使える便利なフリーソフトについて、わかりやすくご紹介します。


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日当たりのシミュレーションが必要なわけとは?



日当たりは居心地の良さや電気代に大きく影響する


住宅を新築する際、間取りを考えるうえで「日当たり」はとても重要な要素です。


例えば、開放感のある明るい部屋にしたい場合は、直射日光を多く取り込むことで、時間帯や季節によって変化する光を楽しめる空間になります。一方で、落ち着いた雰囲気の部屋にしたい場合は、直射日光を控えめにし、天空光(空からの拡散光)を中心に取り入れることで、まぶしさの少ない均一な明るさを確保できます。


このように、自然光の取り入れ方によって部屋の快適性や雰囲気が大きく変わります。また、日当たりは照明だけでなく、冷暖房などの空調費にも影響します。直射日光は光だけでなく熱も運んでくるため、夏は日差しを遮ることで冷房の負担を減らし、冬は積極的に取り込むことで暖房費を抑えることができます。


つまり、日当たりを考慮した設計は、居心地の良い空間づくりだけでなく、光熱費の節約にもつながる、家計にやさしい住まいづくりの鍵なのです。




日当たりは周辺環境によって左右される


部屋の日当たりの良し悪しは、間取りの工夫だけで決まるものではありません。日本の住宅は多くの場合、住宅地に建てられるため、隣家や周囲の建物の影響を受けることが避けられません。


例えば、隣の家が太陽の方向に建っていると、直射日光が遮られてしまいます。また、近くに林が広がっていたり、少し離れた場所に高層マンションがある場合でも、日照に影響を与えることがあります。


このように、周辺環境を無視して「日当たりの良い家」を建てることは難しく、事前に周囲の状況をしっかりと把握することが重要です。だからこそ、日当たりシミュレーションが役立つのです。




日当たりシミュレーションの活用が進んでいる


近年では、住宅の建築前に日照条件を確認するための「日当たりシミュレーション」が活用されはじめています。これにより、住宅の形状や間取りだけでなく、隣接する建物との距離、窓の配置や大きさなど、より細かな設計が可能になりました。


工務店や住宅メーカーの中には、完成予定の住宅を3Dモデルで再現し、モニターやVR(バーチャルリアリティ)用のヘッドマウントディスプレイを使って説明するケースも増えています。ただし、こうしたモデルは周辺環境を考慮していない「イメージ映像」にとどまっていることも多く、実際に日照を詳細に解析している企業はまだ少数です。


そのため、建築後に「思っていたより暗い」と感じて後悔するケースも少なくありません。こうした失敗を防ぐためにも、事前に日当たりをシミュレーションし、周辺環境を含めた日照条件をしっかり確認することが重要です。






日当たりシミュレーションの考え方と条件


日当たりシミュレーションモデル

それでは、日当たりのシミュレーションがどのようにして行われているかを説明します。



日当たりのシミュレーションとは?


「シミュレーション」とは、実際の状況をモデル化し、仮想的に再現・検証する方法です。日当たりのシミュレーションでは、太陽の直射光や天空光、隣家や地面からの反射光など、自然光による室内の明るさをイメージや照度として確認することができます。


こうしたシミュレーションには複雑な計算が必要なため、専用のアプリやソフトウェアを使うのが一般的です。ただし、簡易的な方法として、「日差しが部屋に入るかどうか」だけを確認するシミュレーションもあります。これは、周辺の地図や建築図面をもとに、断面図や平面図を使って模式的に行うことが可能です。必要な条件がそろえば、ある程度の精度で日差しの有無を判断することができます。


また、後ほどご紹介する無料のシミュレーションソフトを使う場合でも、正確な結果を得るには、いくつかの条件を設定する必要があります。そのため、基本的な考え方を理解しておくことが大切です。




日当たりシミュレーションに必要な条件


日当たりシミュレーションを行うには、いくつかの基本的な情報が必要です。ここでは、主な条件についてご説明します。


1. 窓の位置と高さ(対象住宅)

シミュレーションを行う段階では、すでに土地が決まり、周辺環境や住宅の大まかな設計が決まっていることが多いです。この場合、室内で日当たりを感じるために重要なのは「窓の位置と高さ」です。各部屋ごとに、どこにどの高さで窓があるかによって、日差しの入り方が変わります。


一方、まだ設計前の段階では、地面での日照条件を評価することになります。土地選びの段階でも、日当たりの確認は重要です。



2. 周辺建物や障害物の位置と高さ

日当たりに最も大きな影響を与えるのが周辺環境です。周囲に遮るものがなければ、日当たりは住宅の方位だけで決まりますが、隣家や高い建物、樹木などがある場合は、それらの位置と高さが重要になります。


建物の位置は地図検索などである程度把握できますが、高さについては目視での推定が一般的です。高性能な地図ソフトを使えば建物の高さを調べることも可能ですが、樹木などは正確に把握できない場合があります。


3. 緯度・経度

地域によって太陽の動きは異なります。日の出・日の入りの時間や太陽の高さ(太陽高度)は、緯度・経度によって変化します。シミュレーションでは、対象住宅の緯度・経度を設定することで、より正確な日照条件を再現できます。これらの情報は地図から簡単に調べることができます。


4. 方位

「南向きの家は日当たりが良い」と言われるように、住宅の向き(方位)は日照に大きく関わります。南向きでも、南東や南西に少しずれているだけで、日差しの入り方が変わってきます。


方位は10度刻み程度で把握すると、シミュレーションの精度が高まります。インターネットで大まかに調べることもできますが、より正確には土地情報や建築図面から確認するのが理想です。


5. 季節・時間ごとの太陽高度

シミュレーションソフトを使う場合は、緯度・経度と方位を入力すれば、季節や時間ごとの太陽高度は自動的に計算されます。一方、ソフトを使わずに手作業で検討する場合は、各季節・時間帯の太陽の高さと方向を調べる必要があります。


太陽の動きに関する情報は、下記の専門サイトで簡単に確認できます。

CASIO様 ホームページ内 『Keisan 生活や実務に役立つ計算サイト』

・太陽高度(一日の変化)



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鋼鈑商事の日当たりシミュレーション


シミュレーションで作成したお部屋のイメージ画像 日当たりシミュレーションで新築時の採光確認!

鋼鈑商事では、光ダクトを用いた採光システム「どこでも光窓」を提供しています。


住宅への「どこでも光窓」の導入検討に際に、シミュレーションを用いて事前に日当たりや室内の明るさ解析を行っています。


また、鋼鈑商事では、光ダクトだけでなく、通常の窓や天窓、ライトシェルフなどの形状、吹き抜け空間や床面の照度など、様々な建築に応用できるシミュレーションの技術を利用しています。


過去の検討事例をご紹介します。



検討事例. 一戸建て住宅でのリビングダイニングの日当たり


図面と立地条件より、下図のようなモデルを作成しました。


日当たりシミュレーション 検討事例 一戸建て住宅の外観
図. 検討住宅モデルの外観

本モデルにおいて、日当たりのシミュレーションを行い、春分9時と春分12時での室内の様子が下記のように得られました。


日当たりシミュレーション 検討事例 春分9時 室内の様子
図. 春分9時 室内の様子
日当たりシミュレーション 検討事例 春分12時 室内の様子
図. 春分12時 室内の様子

この住宅のリビングダイニングには図のような大きな掃き出し窓がありますが、春分9時においては方位的に直射日光が入らず、春分12時においては2階のバルコニーによって直射日光が入らないことがわかりました。


新築をご検討中の方で日当たりが心配の方へ、鋼鈑商事では日当たりのシミュレーションサービスを行っています。

製品の採用可否によらず、無料で提案を行っていますのでお気軽にご相談ください。






無料で入手可能な日当たりシミュレーションソフト


各社から日当たりのシミュレーションが可能なソフトが提供されていますので、ご紹介します。


一部、商用利用不可のものありますので、建築のプロの方で営業用として使用を考えている方はご注意ください。


『VELUX Daylight Visualizer』


『VELUX Daylight Visualizer』Webサイトトップ画像
『VELUX Daylight Visualizer』Webサイトトップ画像

日本ベルックス株式会社 が提供しています、採光シミュレーションソフト『VELUX Daylight Visualizer』の日本語版です。

シンプルな操作で日当たりのシミュレーションが可能ですが、パラメーター設定や室内のオブジェクト、周辺建物など非常に細かく再現できます。


また、画像も本物のようなビジュアルになるため、実際の建てる家と非常に近いイメージを持てます。

どちらかといえば、建築のプロ向けのソフトですが、操作自体は比較的簡単なため、一般の方でも試してみることはできます。


『日当り君(住宅性能診断士ホームズ君)』


『日当り君』Webサイトトップ画像
『日当り君』Webサイトトップ画像

株式会社インテグラル が提供しています、日当たり診断フリーソフト『日当り君』です。


こちらは、住宅診断のためのソフト『ホームズ君』の日当たりに関するシミュレーションの一部を抜き出して無料で提供しているソフトです。


一部機能歯科使えませんが、その分非常にシンプルな操作で簡単に日当たりに関する知見が得られます。


『SketchUp』


『SketchUp』Webサイトトップ画像
『SketchUp』Webサイトトップ画像

Trimble inc. が提供しています、建築デザインの3D描画ツール『SketchUp』です。


基本的に有料ソフトですが、7日間の無料トライアルであれば無料で使用可能です。


商用の利用は禁止されていますので、自分で住宅を考える場合などのみの使用に限られます。


日当たり以外にも、建築のプロやデザイナーも使用しているソフトですので、住宅イメージを考える際の参考する、といった使い方ができます。


ご自身で行うのが難しい方は、鋼鈑商事の日当たりシミュレーションもご検討ください。



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まとめ


全ての住宅に日当たりのシミュレーションが必要となるわけではありませんが、住宅のイメージ画像だけで判断すると、建ててしまった後に日当たりで問題になるケースもあります。


シミュレーションソフトまでは使う必要がなくても、冬場の太陽高度で、周辺建物の影になるかどうかだけでも判断すると、日当たりについて問題は起きにくくなります。


一度、日当たりについてもシミュレーションで検討してみてはいかがでしょうか。


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