家を建てたいと考えはじめた時に検討する項目のひとつが「構造」でしょう。
さまざまな構造の種類がありますが、中でももっともなじみのある木造住宅にしようかなと思っている方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、他の構造にはない木造の具体的なメリットは何か、ということについて、いくつかの角度からご紹介したいと思います。
木造住宅ってどんな住宅なの?
山や森林が多く木材資源が豊富な日本では昔から、戸建て住宅といえば木造住宅でした。そのため、さまざまな構造の戸建住宅が建てられている現代でも、新築着工件数の約5~6割を占めるといわれています。
木造住宅は工法によって木造軸組工法と2×4(ツーバイフォー)工法に分かれます。
木造軸組工法は、土台や柱、梁、筋交いなどを直接組んで構造体を作り上げていく工法です。
一方、2×4工法は、2インチ×4インチの大きさの木材を主として、寸法が決まった木材を組み合わせて壁面をパネルで建てる工法です。
木造住宅のメリットって何?
木造住宅には、他の構造と比べた場合において、3つのメリットがあるといえます。
自由度が高い
木造軸組工法の場合、建築基準法などの建築関連法規の基準を満たしていれば、間取りの自由な設計が可能というメリットがあります。
構造計算をして問題なければ、大きく広々とした空間をつくることも可能です。木造軸組工法に対応している工務店や設計事務所は多いため、さまざまな間取りプランを提案してもらい、比較検討できるという意味では、業者選びの自由度も高いでしょう。
将来的にみても、家族の構成や生活状況の変化によって、リフォームが必要になった時に対応しやすいといえます。
建築費用をおさえられる
建築費用の面で大きなメリットがあるのが木造住宅です。
木造住宅は木材を使用して建てるため、鉄骨造住宅や鉄筋コンクリート造住宅よりも材料費が安いのが特徴です。そのため、全体の建築費用を安くおさえられる傾向にあります。
もちろん、使用する素材にこだわって高い木材を多く使うとなると、話は別ですが、一般的には鉄筋コンクリート造住宅よりも坪単価が10~20万円下がるといわれています。
また、他の構造よりも短期間で完成することが多いです。そのため人件費をはじめ、工事にかかる費用も安くてすみます。
木材のもつ機能を活用できる
木造住宅の構造となる木材は、優れた機能がいくつかあります。
木は、高い吸放湿性をもっています。そのため、空気がしめっていると湿気を吸い込み、空気が乾燥すると中にため込んでいる水分を放出するという働きがあるのです。木材が湿度の調節をしてくれるので住まいを快適な空間なります。
また、断熱性にもすぐれています。木の繊維を使った断熱材もあり、グラスウールやポリエチレンフォームなどと比較しても劣らない性能を持っています。まさに「夏は涼しく、冬はあたたかい」住環境をつくりやすい構造だといえるでしょう。
木造住宅のデメリットはこうして解決!
さまざまなメリットがある木造住宅ですが、デメリットももちろんあります。
もっとも不安に感じられることが多いのは耐震性でしょう。
東日本大震災や熊本の大震災といった大きな地震が引き起こした甚大な被害は、記憶に新しいですね。
鉄筋コンクリート造住宅に比べると、「材料の強度が弱い」、「経年により白アリの被害や風雨による劣化が起こりやすい」といった点から、木造住宅は地震に弱いというイメージがあるのではないでしょうか。
しかし実際は、木材には柔軟性があり、地震の揺れには思いのほか強いのです。
さらに近年は「壁や土台を金物で強固に補強する」、「白アリや経年劣化による腐食を早めに検査して補修する」といった方法で、高い耐震性を維持できます。
また、木造軸組工法に限っては、職人の腕によって仕上がりが左右されやすいという問題もあります。現場の責任者がしっかり現場を統率できているか、建築中の現場に足を運んで直接見せてもらうのがおすすめです。
まとめ
「自由度が高い」「費用を抑えられる」という点が、木造住宅のメリットです。耐久性の面でデメリットもありますが、近年は新たな技術でデメリットを補う努力がされています。
そして、木造住宅の最大の魅力はなんといっても、木材が持つぬくもりです。自然素材ならではの安心感と落ち着きを感じながら暮らしたい方は、ぜひ木造住宅を検討してみてくださいね。