鋼鈑商事株式会社 建材事業部
キッチンに適した室内窓とは? 種類や選び方を解説
自宅のキッチンに対して「十分な光が入らない」「風通しが悪く湿気やにおいがこもってしまう」などのお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
キッチンを風通しのよい開放的な空間にするには“室内窓”を取り入れるのがおすすめです。
この記事では、キッチンに室内窓を設置することで得られる効果をはじめ、室内窓のタイプ、設置する前に注意しておきたいポイントなどを解説します。
これから建てる家に「自然光をたくさん取り込みたい」「暗いキッチンを明るく改築したい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
室内窓とは
室内窓とは、部屋と部屋を仕切る壁に設置された窓のことです。
壁を取り払うことなく、隣の部屋や廊下などと空間をつなげられる特徴があります。
ほかにも、明るさや風通しなどの機能性を高めるだけでなく、内装デザインの一環として取り入れられることもあります。
室内窓を取り付けることで、採光や風通しをよくする以外にも、さまざまな効果を得られます。
部屋の採光や風通しをよくする
家の中で自然光が入りにくい場所、窓のない独立型のキッチン、リビングからの採光が少なく暗くなりがちなキッチンも明るくできます。
開閉タイプの室内窓であれば、キッチンの風通しを改善できることも効果の一つです。空気を循環させて効果的に換気が行えるため、キッチン内に湿気やにおいがこもるのを防止できます。
部屋の窮屈さを軽減。家族とコミュニケーションが取りやすくなる
キッチン内に窓がない場合、窮屈に感じやすいことがあります。
特に独立型のキッチンでは、リビングやダイニングにいる家族の様子が見えにくく、コミュニケーションが取りづらいという悩みもあります。
室内窓を設置することで、キッチンから視線が抜けて開放感を得られます。窓がない、狭いといったキッチンの窮屈さを軽減する効果が期待できます。
また、キッチンとリビングの間に室内窓を設置することで、家族と会話しながら家事を行いやすくなります。
小さなお子さんがいるご家庭であれば、お子さんの様子を見守りながら家事を進めることも可能です。
おしゃれな空間を演出できる
室内窓は、窓の大きさやガラスの質感、窓枠の色などのバリエーションがとても豊富です。
ご自身テイストや雰囲気に合った室内窓を選ぶことで、住まいのデザイン性を高められます。
おしゃれなキッチン空間を演出したいという方は、室内窓のガラスや色などにこだわってみてはいかがでしょうか。
キッチンに設置する室内窓のタイプと素材
窓のタイプやガラスの素材などにこだわることで、お住まいのキッチンと、より相性のよい室内窓を設置できます。
ここでは、一般的な室内窓のタイプや窓枠、窓ガラスの素材をご紹介します。
室内窓のタイプ
室内窓には、開閉できるタイプと開閉できないFIXタイプの2種類があります。
①開閉タイプ
開き戸や引き戸、押し出し窓などの種類が豊富です。
採光だけでなく風通しを目的に使用できるため、キッチンだけでなく、リビングや子ども部屋と隣接する廊下または階段など、さまざまな場所に設置できます。
開閉タイプの室内窓をキッチンに設置すれば、においや熱気を逃がして効果的に換気できます。
採光も補えるため、キッチン空間を明るくできることもポイントです。
②FIX窓タイプ
開閉できないFIX窓は、採光を目的に設置します。
大きさや形状も豊富なため、日当たりの悪い場所に合わせて設置位置や窓の大きさを選べます。
独立タイプのキッチンに設置すると、隣接する部屋や廊下から明かりを取り入れることが可能です。
窮屈で閉鎖的な空間を和らげて、明るく開放的なキッチン空間をつくれます。
窓枠
室内窓の窓枠は、住まいのインテリアやデザインとの相性にも影響します。
窓枠の素材となるのは木やアイアンです。
①木枠
木製の窓枠は、自然のあたたかい印象を与えます。
ナチュラルな雰囲気やシンプルなデザインのキッチンとも相性がよいのが特徴です。
壁の色を選ばない点やお部屋の雰囲気に左右されにくく取り入れやすいといった点も木枠が持つよさの一つです。
②アイアン枠
アイアンは、本来ロートアイアンといわれ、鉄や鉄板を加熱・加工した鉄製の装飾を指します。
アイアンの窓枠は、白壁によく映えてインテリアのアクセントになります。
スタイリッシュでおしゃれな印象に仕上がるのが魅力です。
窓ガラス
窓ガラスは、ガラスの種類によって視線の抜け方が変わってくるため、設置場所に応じて考慮しましょう。
①透明ガラス
透明ガラス(フロートガラス)は、視界がクリアで開放感があるのが特徴です。
一般的な窓によく使用されています。
室内窓を通して空間につながりが生まれるため、キッチンから隣の部屋や廊下を見通したい場合、視線の抜けた開放的な空間をつくりたい場合に適しています。
②カスミガラス
カスミガラス(型板ガラス)とは、ロールアウト製法によりガラスの片面に凹凸のある模様を付けたガラスです。
透明ガラスとは異なり、光を通しつつ視線をぼやかして遮断できるのが特徴です。
たとえば、キッチンの隣に寝室や廊下があり、「採光を取り入れたいけれど、プライバシーが気になる」といった環境に適しています。
③モールガラス
アンティーク家具やモダンな棚などに使用されているストライプ柄のガラスです。
光を通しながらもほどよく視線をカットできます。
デザイン性が高く、おしゃれな空間を演出できるのも特徴です。
キッチンに適した室内窓の選び方
キッチンに設置できる室内窓は、設置位置によって光の入り方や風通しが異なります。
デザインの好みや目的に応じて室内窓を選びましょう。
日当たりの悪いキッチンを明るくしたい
室内窓の設置により、日当たりがよい部屋からキッチン内に光を取り込むことが可能です。
キッチンとリビング・ダイニングの間に室内窓を設置することで、自然光をキッチンまで届けられます。
壁の真ん中あたりに大きめの室内窓を設置すれば、より多くの光を取り込めます。
また、キッチンと隣接する壁に窓を設けられない場合は天窓の設置もおすすめです。
天井から自然光をたっぷり取り込めるため、窓のない独立型のキッチンも明るい空間にできます。
“どこでも光窓”であれば、屋根に面していない1階のキッチンでも、光ダクトを通じて自然光を届けることが可能です。
室内窓を設置できない場合だけでなく、室内窓と組み合わせて、より明るい空間をつくりたい場合にも適しています。
キッチンの風通しをよくしたい
風通しを重視する方は、開閉タイプの室内窓がおすすめです。
隣接した部屋や廊下から風を取り込み、自然風が心地よく入る快適な住まいを実現できます。
キッチン内にこもりやすい湿気やにおいも効果的に換気できます。
室内窓が廊下や個室に面していて視線が気になる場合は、カスミガラスやモールガラスを選んでみてはいかがでしょうか。
また、壁面の上部に高窓のように室内窓を設置すれば、プライバシーを守りつつ、必要に応じて通風を確保できます。
夏場や湿気の多い日でも快適に過ごしやすくなります。
開放的なキッチン空間を演出したい
室内窓と天窓を組み合わせて設置することにより、両方から光を取り込み開放的な空間を演出できます。
たとえば、リビング・ダイニングには天窓、キッチンには室内窓といったように設置すると、住まいの隅々まで自然光が広がります。
また、室内窓を設置しても、隣接する部屋や廊下が明るくなければ、キッチンに十分な採光が得られないケースもあります。
こうした場合にも、外からの光を取り込める天窓を設置するのが有効です。
天窓は真上から光を取り込めるため、通常の窓から光が入りにくい南側・東側の部屋や、住宅密集地でも部屋の中を明るく照らすことができます。
視線が空へと抜けるため、閉鎖的なキッチン空間を開放的にできます。
まとめ
室内窓には、部屋と部屋をつないで光や風を取り込む役割があります。
暗い独立型のキッチン、においや湿気がこもりやすいキッチンも、室内窓の設置で明るさや風通しを生み出せます。
室内窓のタイプや窓枠の素材、ガラスの選び方によって明るさや見通し、デザイン性が異なるため、目的に応じて選ぶことが大切です。
また、キッチンを明るくすることが目的であれば、天窓もおすすめです。
頭上からたっぷりと採光を得られるため、隣接する部屋の日当たりがよくない場合にもキッチンを明るく照らせます。
さらに、室内窓と天窓を組み合わせれば、より開放的な空間を演出することも可能です。
キッチン空間をより開放的かつ快適にするために、室内窓や天窓の設置を検討してみてはいかがでしょうか。