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住まいや光に関する記事

光ダクトの効率を高める設計ポイント|形状・曲げ・部材選定の注意点

  • 執筆者の写真: 鋼鈑商事株式会社 建材事業部
    鋼鈑商事株式会社 建材事業部
  • 2018年8月28日
  • 読了時間: 6分

更新日:4月30日


光ダクトは、窓や外壁に面していない空間へ自然光を届けられる建築技術です。


一方で、「思ったより明るくならない」「コストに見合う効果が出ない」といった声が出やすいのも事実です。

その原因の多くは、光ダクトの特性を十分に理解しないまま設計してしまうことにあります。


本記事では、光ダクトを検討している建築設計者の方に向けて、


  • 光ダクト導入の効果が高い建物の種類

  • 光量を最大化する形状設計の注意点

  • 効果を左右する周辺部材の選び方


を体系的に解説します。




光ダクトとは?導入前に知っておくべき基本特性

光ダクトの断面模式図

光ダクトとは、屋根や外壁の採光部で取り入れた自然光を、高反射素材のダクト内部で反射させながら室内へ導く建築構造です。


その特性上、


  • すでに大きな窓があり十分な採光が得られる空間

  • 直接窓から自然光を取り込める部屋


には、必ずしも最適とはいえません。


一方、外壁や屋根に面していない暗い空間では、光ダクトの効果を大きく発揮できます。費用をかけて導入する以上、「どの建物で、どのように使うか」の見極めが重要です。



光ダクトについてもっと詳しく知りたい方はこちら




光ダクト導入で効果が高い建物の種類


学校・教育施設


学校施設では、光ダクト導入による効果が非常に高い傾向があります。


  • 校舎内部の暗い廊下・階段を明るくできる

  • 自然光を活用した環境配慮型建築としての価値

  • 環境教育・省エネ教育の教材として活用できる


実際に導入した大学では、学生から「光ダクトを研究してみたい」といった声が上がるケースもあります。建築デザインと教育的価値の両立ができる点が、学校施設ならではのメリットです。



商業施設


ショッピングセンターなどの商業施設でも、光ダクトは有効です。


ただし注意点として、商業施設では安全基準上、常に一定の照度確保が求められるため、光ダクトを主照明として使用することは適しません


効果的な使い方としては、


  • 吹き抜け空間の明るさを補う

  • 自然光を使ったオブジェクト照明・空間演出

  • 停電時の補助的な採光・非常対策


など、「明るさ+付加価値」を目的とした活用が適しています。




戸建住宅


戸建住宅は、光ダクト導入のメリットが最も分かりやすく表れる建物です。


  • 住宅密集地で日当たりが確保しにくい

  • 建築後に周囲の環境が変わり、急に暗くなる

  • 日中でも照明を点けなければならない部屋がある


こうした課題は、建築的な工夫だけでは解決できないケースが多くあります。


光ダクトは、周辺環境に左右されにくく自然光を取り入れられる手段として、戸建住宅に大きな効果をもたらします。




効率を左右する光ダクト形状設計のポイント


光ダクト形状の設計に関する注意点 断面積の違いによる反射回数

光ダクトの内部素材は反射率95%程度と高性能ですが、反射するたびに光量は確実に減少します


そのため、形状設計が光ダクトの性能を大きく左右します。


基本は「短く・大きく」設計する


光量低下を最小限に抑えるための基本原則は非常にシンプルです。


  • 光ダクトはできるだけ短くする

  • ダクト径は可能な限り大きくする


この2点を守るだけで、反射回数が減り、光量を大きく確保できます。



曲げを減らして光量低下を防ぐ


90度の曲げを1か所設けるだけでも、同じ長さの直線ダクトと比べて約10〜20%の光量低下が生じます。


やむを得ず曲げる場合は、


  • 曲げ角度を小さくする

  • ゆるやかなカーブにする


ことで、光量の減少を抑えられます。



放光部を増やすと光量は分散する


光ダクトは、光を「増やす」装置ではありません。採光部で得た光を、距離と反射による減少を考慮しながら分配する仕組みです。


そのため、


  • 放光部を2か所にすれば、光量は概ね半分ずつ以下

  • 放光部の数と面積は、必要な明るさから逆算


する必要があります。



途中で細くなる設計がNGな理由


「大きな採光部で集めた光を、途中で細いダクトに集光したい」という相談を受けることがあります。


しかし、通常の光ダクトではこれは現実的ではありません。


  • 太陽光は常に入射角が変化する

  • 固定ダクトでは集光条件が安定しない


途中で細くなる形状は、光量減衰が大きくなるため推奨できません。



建物計画と同時に光ダクトを設計する


光ダクトは、


  • 距離が長くなりすぎる

  • ダクトスペースが確保できない

  • 無理な曲げが必要になる


といった理由で、設計終盤や既存建物では導入が難しくなるケースが多くあります。


基本設計段階から光ダクトを前提に検討することが、効率面・コスト面の両方で重要です。





光量とデザインを左右する周辺部材の選び方​​​​​​​

光ダクト周辺部材の設計に関する注意点​​​​​​​

採光部には透過率の高いガラスを選ぶ


採光部のガラスは、透過率が光ダクト性能に大きく影響します。


断熱性や遮熱性を重視してLow-eガラスを用いる場合でも、


  • 採光面積が小さい場合

  • 光量を優先したい場合


は、高透過ガラスや網入りガラスの方が適していることもあります。



放光部の拡散素材は空間デザインに合わせる


放光部を透明素材にすると、直射感の強い光になります。

一方、拡散素材を用いれば、障子のような柔らかい光を演出できます。


  • 明確な光の存在感を出したいのか

  • 空間全体を包むような光にしたいのか


用途とデザインイメージに合わせて素材と透過率を選びましょう。



放光部のデザインについて知りたい方はこちら





まとめ|光ダクト設計で失敗しないための重要ポイント


光ダクトの効果を最大化するためには、


  • 建物計画と合わせて形状を検討する

  • できるだけ短く・大きく・曲げない設計にする

  • 採光部・放光部の部材選定を丁寧に行う


ことが重要です。


光ダクトは、単に室内を明るくするだけでなく、空間演出・環境配慮・非常時対策といった付加価値を生み出せる建築要素です。


設計段階でお悩みの際は、過去の導入事例を踏まえたご提案も可能ですので、お気軽にご相談ください。


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