ベランダはほんとに必要か、と迷っていませんか?
住宅会社は特に指定のない限り、ベランダのあるプランを提案します。
ですが、何となくで設置してしまうと使いにくくて後悔することもしばしばあります。
新築で後悔しないために、ベランダが必要か不要かを考えている方へ、ベランダの用途やメリットとデメリット、さらにベランダを作る場合の注意点をお教えします。
ベランダを作らない家が増加!!
最近、生活スタイルや考え方の多様化により、ベランダを作らない注文住宅が増えてきています。
一昔前は、ベランダを設けることが当たり前でした。建売住宅でも、標準的にベランダやバルコニーを取り入れている住宅が多くあります。
当然、ベランダを取り入れた住宅の方が、費用が多くかかります。
必要がないようであれば、設置しない方が建築費用に余分が生まれ、住宅性能を良くしたり、高性能な設備にグレードアップするなどと、ほかのところに費用をかけることができます。
ですが、費用を抑えるためにベランダを作らなかったばかりに後悔してしまうこともあります。
ベランダを利用する目的やデメリットをしっかりと確認してから、設置するかどうかを考えましょう。
ベランダの利用方法とメリット
洗濯物や布団を干す
ベランダの最も利用用途として多いのが、洗濯物干しではないでしょうか。
ベランダは、日当たりや風通しが良いため、洗濯物が乾きやすい環境であると言えます。
また、太陽光が当たることによる殺菌効果も期待できます。
室内で洗濯物を干すと、空気中の湿気が高くなり、結露やカビ、またはニオイの原因となることもありますので、室内干しに抵抗がある方は、ベランダを利用することが多くなります。
くつろぎのスペースとして利用する
椅子やテーブルを用意すると、見晴らしの良い空間でお茶を楽しむといった使い方もあります。
また、鉢植えやプランターの植物を置くことで、室内とは違った雰囲気となるため、家に居ながら外を感じることができます。
エアコンの室外機を置く
各部屋にエアコンを設置する住宅では、室外機の数も多くなります。
地面に置くことももちろんできますが、住宅の外壁に設置する配管が長くなることや、多くの室外機がまとめてあることで、家の外観を気にして嫌がる方もいます。
ベランダ内であれば、配管も短く、外からも見えにくくなるので、室外機の置き場所としては適しています。
一時的なゴミ置き場になる
家庭で出たごみを、ごみ収集日まで一時的に置いておく場所として利用されます。
衛生面やニオイから、外に置きたい方が多いようです。
また、玄関からは見えないため、外観への影響もありません。勝手口を作らない場合には、重宝します。
外観のアクセント
シンプルな形状の総二階の住宅の場合、外壁と窓だけの外観ですと少しもの足りないと感じる方もいます。
直接的な利用用途ではないですが、ベランダで外観に少し変化をつけ、住宅のアクセントとして利用できるというメリットもあります。
夏の日差しを遮る
こちらも用途は別としたメリットですが、ベランダが突き出た形状にすることで、庇として夏場の日射遮蔽に利用できます。
夏の太陽の直射光を遮ることで、室内が暑くなるのを防ぐという効果が期待できます。
庇をつけるよりも、ベランダとしての機能を兼用できますので、お得な感じがあります。
ベランダのデメリット
管理が面倒
きれいに利用し続けるためには掃除をしなければなりません。
ベランダは屋外で当然外から来る埃や排気ガスなどで汚れやすい環境です。周囲の樹木から落ち葉が入ってきたり、虫が入り込むこともあります。
ベランダの作り方にもよりますが、利用するためにはしっかりと管理しなければならない、というデメリットがあります。
雨漏りのリスクが増える
平坦な外壁と比較して、構造が複雑となるベランダを作ると雨漏りのリスクも増えてしまいます。
もちろん、雨漏りしないようにしっかりとした工事が行われていますので、雨漏りすることは稀です。
ですが、ベランダの作り方によっては、経年劣化により雨漏りのリスクが高くなるものもあります。
費用は掛かりますが、定期的にメンテナンスをすれば雨漏りのリスクは大きく減少します。
季節や天候で用途により使用期間が限られる
湿度が高くて洗濯物が乾きにくい雨の日や寒い冬の日は、洗濯物干しとして使いにくくなります。
くつろぎスペースとしても、寒い冬や暑い夏はあまり屋外に出たくなくなりますので、利用頻度は下がってしまいます。
ベランダを作って後悔する例
ほとんど使っていない
想定していたより狭い、洗濯物も室内干しで十分、掃除が面倒、など、理由は様々ですが、利用頻度が少なく、費用対効果が小さいために後悔を感じてしまうようです。
大雨のときに排水溝から雨漏りした
落ち葉などで排水溝が詰まってしまうと、ベランダから水が流れずに溜まり、雨漏りが生じてしまう場合があります。
雨漏りしてしまうと結構な修繕費用がかかったため、作って後悔する場合が多いです。
空き巣に入られた
ベランダは空き巣の主な進入経路となります。また、ベランダは家の中という思いがあり、施錠を怠ってしまうことも多く、空き巣に入られやすくなるようです。
ベランダを作るときの注意点
目的を明確に
しっかりと使用する目的を考えてから設置を計画するようにしましょう。
何となく、で設置すると結局使用しなくなり、管理や雨漏りリスクだけを抱えてしまうことになりかねません。
使わないなら設置しない、という選択肢もあります。
用途に合わせた形状や広さで
実際に設置しても、想定していた用途で使いにくくて後悔することも多くあります。
洗濯物を干すという用途でも、奥行きが狭くて洗濯物が干しにくい、あるいは、幅が狭くてスペースが足りないなど、といった失敗があるようです。
ベランダの用途に対して必要な大きさをしっかりと考えてから決めましょう。
室内側の動線確認も重要
洗濯物干しに利用する場合には、特に動線に注意が必要です。
1階に洗濯機を配置して、2階の寝室にベランダを設けるような間取りをよく見かけます。
洗濯物を持って、階段で2階に上がり、廊下と寝室を抜けてベランダまで到達、という動線では非常に大変ですよね?
間取りは、生活スタイルや要望によって様々ですので、洗濯のみを優先して決めるということはできないかもしれません。
ですが、家事は生活の中心であり、非常に重要な要素ですので、お洗濯についえも間取りを考えなければならないのです。
耐久性が高い製品を選択しましょう
ベランダはバルコニーと比べると、屋根があることにより日差しや雨による影響が少なく、劣化しにくくなりますが、全く劣化しないということはありません。
ベランダの床面には、耐久性が高いという理由からFRP防水や金属防水が利用されます。
それぞれに特徴や補償が異なりますので、初期費用やメンテナンスをしっかりと考えて選択しましょう。
方位による日当たり条件や周囲からの視線にも考慮
洗濯物干しに利用するベランダを設けても、日当たりが悪くて乾きにくい、という失敗もあります。
できるだけ南側にベランダを配置することで日当たりを確保しましょう。
また、ベランダの下にリビングの大きな窓がある場合には、日当たりに関して注意が必要になることもあります。
南側の隣家が近いと、ベランダによりリビングの窓が陰になり、日当たりが悪くなってさらに暗くなってしまいます。
お庭が広い場合は問題ありませんが、日当たりが十分に確保できないときにはベランダの配置にも注意しましょう。
また、くつろぎスペースとして利用する場合や、洗濯物を干す場合には、周囲の視線も考慮して位置を決めるとともに、目隠しについても考えましょう。
まとめ
生活スタイルや考え方の多様化によって、住宅に求める機能も変わってきています。
今回はベランダについて用途やデメリットを説明しましたが、ベランダだけでなく様々な製品の要不要の選択が必要になります。
建ててしまってから後悔しないように、限られた予算の中で優先順位をつけ、有効に使えるようにしっかりと事前に考えるようにしましょう。