注文住宅を計画中の方で、何となくでサンルームのある間取りを採用しようとしていませんか?
日当たりが良く開放感のあるサンルームは洗濯物干しやカフェスペースなど、多くの用途で利用できる素敵なお部屋ですが、何となくで採用すると失敗することも・・・。
サンルームについての失敗例と対策、サンルームを作るときの注意点について説明します。
サンルームとは?
サンルームとは、日光をたくさん取り入れるようにして設計されたお部屋のことです。
サンルームは、日当たりのいい南側で間取りを計画することが多く、窓や天窓といったガラスが多用されたお部屋となっています。
サンルームの作り方としては、お部屋の1つとして設計されて作る場合と、1Fのリビングにある大きな窓に面したお庭や屋上に外構として後付する場合があります。
サンルームは、洗濯物を干すスペースや、セカンドリビングのようにくつろぐためのスペースとして主に利用されます。
非常に開放感がある空間にもかかわらず、雨や風を気にせず、屋外のようにホコリや排気ガスによる汚れも少ないというメリットがあります。
さらに、日当たりもいいですので、部屋干しにもかかわらず太陽光に当てられる、ということもメリットとしてあります。
サンルームでのよくある失敗と対策
室内でも屋外のような開放感の得られれるサンルームですが、作ったけれど利用しにくく失敗してしまったと感じることもあります。
サンルームでのよくある失敗についてご紹介していきます。
また、それぞれの失敗をしないようにするための効果的な対策をお教えします。
夏暑く・冬寒くなりすぎる
窓が多いということは、それだけ熱や光の出入りも多く、夏や冬は屋外の気温の影響も受けやすくなる、ということでもあります。
夏場であれば、日差しが差し込むことでさらに熱がたまり、とてもサンルーム内にいられないくらい、暑くなってしまうことに。
逆に冬は、寒すぎて快適に過ごすことが難しくなる場合もあります。
対策の一つ目としては、断熱性能の高い窓を採用することです。
ペアガラスやトリプルガラスといった、ガラスを何枚も重ねて性能をを上げた製品も多くなってきていますので、新築であれば比較的簡単に導入できます。
リフォームでも、内窓のように建物の窓の内側にもう一つ窓を設置することで、厚さや寒さを緩和できます。
二つ目の対策として、軒や庇を利用することです。
主に夏場ですが、気温が高いだけでなく、太陽光の日差しが入りすぎることも、サンルーム内を暑くする大きな要因となります。
軒や庇は、太陽高度の高い日差しを遮断できますので、冬場の日当たりを悪くすることなく対策出来ます。
カビが生える
カビが生える原因のひとつとして、換気が悪いことや窓まわりの結露によって湿気がたまってしまうとがあります。
そのため、サンルーム内でカビが生えてしまう、といった失敗となります。
窓の多いサンルームでは、冬に結露を起こしやすい環境といえます。
さらに、換気が十分でないと湿気を含んだ空気がたまりやすくなります。
この対策も、まずは断熱性能の良い窓を選ぶことです。
冬の結露は、外気で窓が冷やされ、そこに室内の暖かい空気が流れ込むことで起こります。
窓の温度が室温に近ければ、結露も起こりにくくなるので十分な対策となるのです。
また、サンルームの換気計画を行うことも重要です。
サンルームのように住宅に必須ではないお部屋の場合、換気扇などの換気設備が設置されないケースがほとんどです。
お洗濯で湿気が多く出るような利用方法であれば、換気についても計画が必要となります。
日当たりが悪い
洗濯物干しスペースとして、日当たりを期待してサンルームを作ったけれど、思ったよりも日差しが入らないという失敗もよくあります。
この失敗の原因としては、窓面積の確保不足と日当たりの確認不足があります。
構造的な問題や上記の断熱性能の問題により、窓面積が十分に確保できないケースがよくあります。
さらに、方位的に太陽光が入らなかったり、周辺建物によって日差しが遮られてしまう、といったこともあります。
窓面積を多く確保しにくい、あるいは、周辺建物に日差しを遮られるような場合には、天窓を設置する方法が有効です。
天窓は、空に向いているため、よほどのことがない限り周辺建物の影響を受けず、また光量も通常の窓よりも多く得ることが可能です。
サンルームを作るときの注意点
サンルームの失敗例と原因に応じた対策について解説しましたが、では実際にサンルームを作るときには住み手としてどうすればいいのかを具体的に説明します。
サンルームの用途を明確に決める
何となくあったらいいな、といったあいまいなイメージではなく、「洗濯物干し場」、「カフェスペース」、「観葉植物のガーデニングスペース」など、用途を明確に決めましょう。
そうすることで、そのお部屋に必要な日当たり条件や断熱性能などがより具体的となります。
設計者とよく相談する
用途を明確にすることにも関連しますが、具体的な用途があると、住宅を作る設計者にもサンルームがイメージしやすくなります。
設計者とよく相談し、イメージを共有することで、性能やデザインからより良い建材や設備を選択してもらえるようになるのです。
コストアップを覚悟する
もちろん内容にもよりますが、例えば、性能のいい窓は通常の性能の窓よりも割高になります。
失敗例を見ても、サンルームでは特に、性能の低い窓を使うと失敗するリスクが高くなります。
コストを落として作成すると後々後悔してしまうことになりかねませんので、予算に合わせてほかの部分で費用を削減するなど、優先順位をつけて考えてから採用を検討しましょう。
まとめ
日当たりが良くや開放感もあるサンルームですが、十分に設計をしっかりしないと、利用しにくく、お手入れも大変なお部屋になってしまう恐れがあります。
用途を明確にイメージし、住宅の設計者とイメージを共有することで、用途に適したサンルームを設計することができるようになります。
また、サンルームで失敗しないために、多少のコストアップは覚悟する必要がありますので、優先順位をしっかりと考えてから採用しましょう。