中庭で家の日当たりが良くなる理由とは?採光を高める仕組みと設計のポイント
- 鋼鈑商事株式会社 建材事業部

- 2017年9月26日
- 読了時間: 6分
更新日:7月3日
「南向きの家なのに思ったより暗い」「昼間でも照明が必要」
という悩みは珍しくありません。
住宅が暗くなる大きな原因は、隣家や塀、建物そのものが光を遮ってしまうことです。
特に住宅密集地では、窓を設けても隣家の影の影響を受けやすく、室内の奥まで十分な自然光が届かないケースがあります。
明るさを向上させる方法のひとつに「中庭」があります。中庭は古くから建物の内側に光と風を取り込む空間として機能し、採光性や開放感を向上させる設計手法として採用されてきました。
この記事では、中庭が日当たりを改善する仕組みや設計のポイント、さらに中庭だけでは解決できない場合の採光対策について解説します。
中庭が家の日当たりを改善できる理由

上から自然光を取り込める
一般的な窓は横方向から光を取り込みます。
通常の窓 ↓
隣家や塀の影を受けやすい
一方で中庭は、
中庭 ↓
空に向かって開いているため上から光を取り込める
という特徴があります。
住宅密集地でも空からの光を取得できるため、外周部だけに窓を設ける住宅より採光を確保しやすくなります。
家の中心まで光を届けやすい
一般的な住宅では、窓から離れた空間ほど暗くなります。
例えば、
廊下
ダイニングの奥
洗面所
階段周辺
などは採光が不足しがちです。
中庭を中心に配置することで、家の複数方向から光を取り込めるため、住宅中央部の明るさを確保しやすくなります。
通常であれば暗くなりやすい水回りや通路にも自然光を届けられる点が大きなメリットです。
壁面の反射光が室内を明るくする
採光においては直射日光だけでなく、反射光も重要です。
特に中庭では、
白い外壁
白いタイル
明るい床材
を採用することで、光が反射しながら室内へ広がります。
中庭に入った光は壁や床で反射し、やわらかな拡散光となって室内の奥まで届きます。
そのため、直射日光が当たらない時間帯でも明るさを感じやすくなります。
建物の形によって明るさは変わる

L字型
長方形のひとつの角が欠けたような形で、最も一般的です。
メリットは、建物を大きく変えなくてもいいことです。
中庭でなく、駐車スペースとすることもあります。
コの字型
コの字型は、中庭の三方を建物で囲み、一方向が開いているレイアウトです。
メリットは、
光を取り込みやすい
風が通りやすい
採光と開放感のバランスが良い
ことです。
住宅地でも採光を確保しやすく、中庭設計では比較的人気の高い形状です。
ロの字型
ロの字型は、四方を建物で囲まれた中庭です。
メリットは、
プライバシー性が高い
外部からの視線を遮りやすい
ことですが、設計によっては注意も必要です。
中庭が狭い場合や建物高さとのバランスが悪い場合は、周囲の壁が光を遮り、中庭そのものが暗くなることがあります。採光計画を十分に検討することが重要です。
中庭の広さと建物高さのバランスが重要
中庭は作れば必ず明るくなるわけではありません。
例えば、
狭い中庭
2階建て住宅
高い壁で囲まれた空間
では影が多くなり、期待したほどの採光が得られない場合があります。
中庭の幅、高さ、窓の位置を総合的に計画することが、明るい住まいづくりのポイントです。
中庭をつくっても日当たりが改善しないケース

四方を囲みすぎている
壁に囲まれた閉鎖的な中庭は、空が見える範囲が小さくなり採光量が低下します。
中庭が狭すぎる
建物の高さに対して中庭が狭いと、日中の大半が日陰になることがあります。
外壁が暗色系
濃い色の壁面は光を吸収するため、反射光による明るさが得られにくくなります。
窓配置が適切でない
中庭があっても窓が小さい、位置が低いなどの理由で十分な採光が得られないことがあります。
窓の大きさや高さも重要な設計要素です。
中庭で明るさの問題を解決できない家もある

周囲の建物が高い場合
隣接する建物が高い住宅地では、中庭を設置しても十分な光が確保できないことがあります。
北側の部屋
中庭からの光が届いても、住宅の北側にある部屋では採光不足が発生するケースがあります。
廊下や収納など窓がない空間
中庭に面していない、
廊下
階段
収納
ウォークインクローゼット
などは依然として暗くなりやすい場所です。
そもそも中庭を設置できない
都市部では、面積的に中庭を設けることが出来ない場合があります。
生活スペースを確保するために、日当たりによる明るさをあきらめざるを得ないことも少なくありません。
光ダクトという選択肢

こうした中庭だけでは採光が難しい空間には、光ダクトという方法があります。
光ダクトは屋外の自然光を集め、高反射ダクトを通じて建物の内部へ届ける採光システムです。
例えば、
廊下
洗面所
階段
北側居室
窓のない空間
などへ自然光を届けることが可能です。
中庭で取り込んだ光だけでは不足する場合、光ダクトを組み合わせることで住宅全体の採光性能を高められます。
光ダクトについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考ください。
光ダクトを活用して日当たりを劇的に改善した事例や、製品説明をまとめました。
中庭で採光を高める設計ポイント
壁や床は明るい色を選ぶ
白やベージュなど反射率の高い素材を選ぶことで、室内への反射光を増やせます。
窓を中庭側に集約する
外周側よりも中庭側へ大きな開口部を設けることで、効率よく光を取り込めます。
光ダクトなどの採光方法を活用する
光ダクトなどの採光装置を活用すると、採光設計の自由度をあげることができます。
日当たりのシミュレーションを行う
季節や時間帯による影の変化を事前に確認することで、採光の失敗を防げます。
日当たりのシミュレーションについて詳しく知りたい方はこちら。
日当たりは事前にシミュレーションすることができます。
まとめ
中庭は、住宅の中心に自然光を取り込むための有効な方法です。
中庭は光の取り込み口になる
コの字型は採光を確保しやすい傾向がある
室内の明るさには反射光も重要
設計によっては中庭でも暗くなる
解決できない場所には光ダクトも有効
中庭は非常に優れた採光手法ですが、形状や広さ、窓配置によって効果は大きく変わります。
さらに家の中心部や北側空間まで自然光を届けたい場合は、光ダクトとの併用も有力な選択肢になるでしょう。
































































